第1回講義録「ネクロフィリア考①」

2013年05月30日 23:48

日本猟奇大学 異常性癖学部 死体学科

第1回講義録「ネクロフィリア考①」

 

 

お久しぶりの出講です。

皆さま元気に向上心持ってますかー?

必死で生きてる学長です(この言い回しひねくれてて大好き)。

 

さて、ガイダンスで話してから随分間が空いてしまいました。学長には数多の職業があるため、こちらにばかり顔出せないのが辛いところ。

(でも、常に勉強はしまくってるから!最前列、バナナの皮とか投げない!)

 

あまりにきっちりした口調もなんですよね。まあガイダンスは頑張りましたけど、学長のかっちりモードにはカラータイマーがついてますのでもう切れてますねえ。ぼちぼち皆さま学内の殺伐とした風景にも慣れた(と信じて疑わない)ということで、まあ今回からは普段に近い口調で講義していこうかなあと思いまーす。

 

今日の枕話はこちら。

https://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2793.html】

 

まあ見ていただけたら一目瞭然ですが、2005年の時点での殺人事件のおよそ8割。これだけ多くの事件、被害者と被疑者に面識があるのですね。これには怨恨殺人や突発的に発生した偶発殺人がありますが、まあ本筋からは外れますので割愛。

 

殺人の種類の区分け、先生あまり興味ありません。

なぜなら犯人の胸中は犯人だけのものであると考えているから。

 

もし自分たちが殺人犯になったとしたら、を想定して御覧なさい?

それこそ面識もない学者たちにさんざん「分析」「徹底解剖」「心理描写を暴かれる」……ねえ?嫌でしょう?想像するに容易い不快感です。

 

ですから、せいぜいこの講義を取った学生の皆さまは、ゆめゆめこのことを忘るることの無きように。校則は卒業後も遵守なさいね。

 

話がずれましたね。では元に戻って。

真ん中の「強姦」と「強制わいせつ」の欄を見てみましょう。

あら、殺人の項目とはだいぶ色の違いがありますね。どちらも6割以上が面識のない人間ですね。

このふたつの違いは、挿入の有無だった気がしますが、学長勉強足りてないですね。だめでしたね。知ってる学生はツイッターで答え下さいね(他人任せ)。

 

コホン。

つまり、その場で知り合った相手がこの二つの対象になると考えてよろしいかと。そして今回の講義テーマは「ネクロフィリア考①」。そうです、終わるかどうか不明だから保険掛けてます、たぶん終わりません……。

 

※ネクロフィリアのおおまかな概要に関しては、ガイダンスでお話してますので今一度確認を。

 

殺人と強姦が合わさったものが今回取り上げるテーマですが、定義的にはこれだけではないです。枕はこのくらいにしまして、いよいよ本題に入っていきましょう。

 

 

 

「1.ネクロフィリア嗜好の発症」

 

一般的に考えて、最初から死体を愛したい人はそうそういません。

「何かしらの倒錯を経てこうなった」という分析論は、先ほどの話の通り好みませんが。

 

後からの理由づけを分析するのは、本学の趣旨に合いません。ですので、今後すべての講義でこの手のお話はいたしません。これには「犯罪心理学」という確立された学問がありますので、そちらにすべて一任しておきましょう。もちろん併用して学びたい方を排斥したりはしませんよ。

 

ネクロフィリアを取り上げた作品に描かれている項目を、順に見ていくことにしましょう。

 

まずは何といっても『白雪姫』。

(青空文庫版はこちら⇒【https://www.aozora.gr.jp/cards/001091/files/42308_17916.html】)

 

全世界で愛されるグリム童話の傑作ですが、実にナチュラルにネクロフィリアの描写が。ガラスの棺に眠る白雪姫を嫁としてもらう交渉をするシーンがありますが、モチーフにこんな曲もあります。聴きながらどうぞ。

 

「オリジナル」 Sound Horizon - 硝子の棺で眠る姫君 「Subbed」

https://www.youtube.com/watch?v=m6tnqKsqbFQ】

 

この曲の歌詞見ればわかりますが、

https://pyusero.blog111.fc2.com/blog-entry-169.html】

王子は姫を見つける前に、それはもうあらゆる女性の味を試しているのです。

その結果、「生きている女性では駄目だ!」という結論に。でもその結論に至るには、「姫を見つける」ことが必要でした。

 

・白雪姫の死体は腐敗せず(理屈は不明?)。

・年を取らない。

・幼女でも老婆でもない。

・死んでいるから、彼女のすべてが自分の思いのままになる。

 

この点に注目して読んでみると、王子の傲慢さが垣間見えてしまい、ファンタジー世界のキラキラ加減がボロッボロになってしまいますが。

 

波線部は要チェックですかね。

王子の理想とする花嫁はかしましい女ではなく、自分の思い通りになる女がいい。現代のフェミニストが聞いたら卒倒しそうな内容ですね。

 

この異常性癖の発症は、

1:生きている人間に対して興奮できないから

2:自分の思い通りになる相手がほしいから

3:生きている人間からは相手にされないから

4:犯したいけれど訴えられたくないから

5:相手の全てを自分のものにしたいから

 

……などの原因が考えられます。あくまで嗜好だけですので。ここに至る背景…例えば生い立ちなんかは、この考察には入れていません。

 

もちろん現実には、何らかのショックないし刺激を受けた原因が他にもあると思います。『白雪姫』をファンタジー世界としてではなく、このようなかたちで捉えてしまったばかりにこの嗜好を抱いたり、はたまた他の作品や体験から得たなども考えられます。

 

 

今回は発症までしか喋れませんでしたね……。

次回講義の開講は案の定未定、おそらく次回は実際の行為のお話かな。

 

ではまた次回、受講に至る病を抱えた諸君!大義であった!

 

※死体とまぐわうことは、生前婚姻関係にあったとて犯罪ですよ、当然。

関連事項【https://park.geocities.jp/funotch/keiho/kakuron/shakaihoueki4/24/190.html

 

 

参考資料:

・死体損壊等罪(190条)

https://park.geocities.jp/funotch/keiho/kakuron/shakaihoueki4/24/190.html】

・【Marchen歌詞】硝子の棺で眠る姫君【SoundHorizon】

https://pyusero.blog111.fc2.com/blog-entry-169.html】

・「オリジナル」 Sound Horizon - 硝子の棺で眠る姫君 「Subbed」

https://www.youtube.com/watch?v=m6tnqKsqbFQ】

・青空文庫 『白雪姫』

https://www.aozora.gr.jp/cards/001091/files/42308_17916.html】

・平成18年度 犯罪白書

https://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2793.html】